新興テクノロジー、サービス、そしてソフトウェアに予測される顧客需要に合わせるかのように、IT業界のエグゼクティブ層は明るい展望をもって2017年を迎えていることがCompTIA米国本部の調査「IT
Industry Outlook(IT業界の展望)」から分かった。
CompTIAのコンセンサス予測は、2017年のグローバルの業界成長率を4.1%としている。
「クラウド、モビリティ、データ、コネクティビティの基礎が作られたことで、今年は多方面においてさらなる進化が見られる年となるでしょう。」とCompTIAのリサーチ&マーケットインテリジェンスのシニアVPであるTim
Herbertは言う。
「デジタル事業の変革は引き続き、規模を問わず多くの企業の原動力となります。仮想現実、AI、アドバンスドアナリティクス、IoTを推進する機会が、また必然的に、画期的なブレイクスルーを探求する機会が存在するでしょう。巻き返しを図っている企業に関しては、新たな競争圧力に直面する可能性があります。」とHerbertは述べている。
CompTIAの2017年第一四半期のIT業界景況感指標では、68.2(100ポイントスケール)の新記録を達成。この指標は、IT業界全体または自社の観点から見た米国経済に対するITエグゼクティブ層の意見が基となる。
「新しい年の始まりは、ある程度の楽観傾向があります。しかし、彼らの意見は、強固な基盤にのっとった経済や、テクノロジーソリューションに対する顧客の継続的関心に支えられていると考えられます。」Herbertは言及する。
2017年の動向
CompTIAは、2017年に影響を与える可能性のある以下12の動向を特定している。
テクノロジー
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クラウド時代のツール
− クラウド発想から作られたツールは、より大きな役割を持ち、ユーザーの断片的な要素を包括的なデジタル戦略にすることが可能に |
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セキュリティ体制の遅延
− セキュリティ侵入のニュースで溢れているものの多くの企業では、サイバー攻撃に対する万全な体制が取られていない |
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データチームがITとビジネス間のギャップを埋める
− 舞台裏にいたデータスペシャリストが表舞台に。組織データの活用で脚光を浴びる |
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IoTが物理的環境や社会的慣行を変える
− より多くの物理的オブジェクトがインテリジェンスやコネクティビティを得ることから、IoTは混乱の中心的存在に |
ITチャネル
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チャネルの新顔による市場進出アプローチ
− 従来では見られなかった企業の参入により、テクノロジーソリューションのラインアップが拡大 |
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パートナープログラムのリタッチが必須に
− セールス報酬金、ディスカウントなどかつては価値があったものは、今日のサービスベースの市場ではもはや重要視されず |
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エイジングが進むチャネルコミュニティに新たな活力が必要
− チャネル分野では、次の10年間に約40%が退職となる。彼らの後継者はどこに? |
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クラウド管理の領域に機会が急増
− クラウド企業やサービスの数が増え続けている。顧客の選択肢が増えると同時に、チャネルパートナーにも機会が増加 |
ワークフォース
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従業員によるBYOC(クラウドやコンテンツなど自身のコラボレーションの持ち込み)−
従業員の生産性や満足度の高まり vs. セキュリティリスクといった、企業にとっての綱渡りを意味する |
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ブレンデッドワークフォースの採用
−(職場と人の)マッチメーキングに似たプラットフォームは、企業、正社員、派遣、契約社員に新たな選択肢を生む |
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テクノロジーが雇用に与える影響に関する協議の強まり
− AIや仮想アシスタント、その他のナレッジベースシステムの使用から新たな疑問が生まれる |
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スキルギャップの拡大から、ワークフォース戦略の再検討が急務に
− 多くの分野におけるスキルギャップが広まる。多くの企業では人材の確保や、人材育成が課題に |
CompTIAの「IT Industry Outlook(IT業界の展望)」調査は、米国(310)イギリス(122)カナダ(98)の業界エグゼクティブ総計530名によるオンラインサーベイが基となる。調査は、2016年12月から2017年1月に実施された。
完全な調査報告書(英語版)は、https://www.comptia.org/insight-tools から入手可能。
日本語は近日公開予定。
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