CompTIA認定資格活用インタビュー
「三自の精神」から生まれた、CompTIA認定資格の勉強会
〜キヤノンマーケティングジャパン株式会社〜

キヤノングループに根付く「三自(自覚、自治、自発)の精神」。
CompTIA認定資格取得者インタビュー第9回は、より高い顧客満足を目指し、向上心、問題意識(“自覚”)を持って“自発”的に行動を起こし、CompTIA認定資格の勉強会を事業所で実施されているキヤノンマーケティングジャパン株式会社の内藤 隆様にお話をお伺い致しました。

自分だけが良いのではなく、周りの皆様と共に変わろうとされる姿をご覧下さい。
 
CompTIA(以下、グレー部分はCompTIA )
現在の業務内容をお教えください。

カスタマーサポートエンジニア第二部第一課に所属しており、お客様に対してハードウェア(FAX、Printer、Copy機能を持つ複合機)を中心に保守、メンテナンスを行っています。テリトリは虎ノ門、新橋地域で一日に10件以上はお客様先を回っています。

当社は障害内容を法人向けコールセンターで一括受付し、対応可能なサービスマンに連絡するようになっているのですが、私はネットワーク系の障害を多く対応しています。

 
最近のお客様の依頼、ご要望は変わってきていますか。

ハードウェアからネットワーク系の通報が増えてきており、三田の事務所全体では約4割はそれです。
例えば、SMB送信で読み込ませたデータがPCに落ちないとか、スイッチやルータ、ハブなどの障害頻度が高くあります。
複合機はネットワーク内の一端末として使用されているため、保守、メンテナンスの為にはIT、ネットーク、ソリューション技術が必要となります。G4、G3といったFAX回線やイーサネットのような技術的な知識、またWindows、MACといったOSも理解しなければなりませんし、当然ネットワークを利用した自社のアプリケーションも対応しなければなりません。ですが以前は、このあまりに多岐に渡るスキルに対応できる人材は限られていまして、現場で問題となっていました。

プリントアウトできないという障害内容で行ってみたら、実はネットワーク障害だったりする場合、お客様を前にして「私はハードウェア専門ですから・・」とは言えないですよね。
ハードウェア保守だけではCEとしてはやっていけない、お客様からのより高い満足を得るためにはトータル的に診る力が必要になっている、ということを感じていました。

 
現場の危機意識もあったということですか。
皆、気になっていました。この先ハードだけでやっていけるのか、新しい製品や技術を触る機会が増えネットワークが絡んでくると、自分達の手に負えなくなってくるのじゃないか、など。ITネットワークやらなきゃな、でもどうしていいか分からない、複雑そうなので踏み込めない、と悩んでいるハードウェアCEがまわりに多くいました。
 
それで勉強会がスタートしたのですね。

会社としても顧客満足向上の一環としてCEのITスキル向上に力を入れ始め、A+の講習会に出席したのが転機となりました。当初は他ベンダー資格を取得していて、現業務との関わりが薄かったのですが、その講習を受けて、CompTIA認定資格が現場のCEにぴったりだと思いました。今まで雑誌の切り抜きや専門書で学習していたのですが、業務に必要な内容が一つにまとまっていて、特にA+、Network+があれば、前に述べた複合機に対してのサポートに対応することができ、今の悩みを解消するものとして、皆に勧めてあげようと思いました。それで、「やるぞ!」となりました。

 
なぜ勉強会形式にしたのですか。
現場のCEは、同じ仕事をやっている者が困っていることを共有し、互いに教えあい、切磋琢磨していくところがあります。同じ仕事をしているのでどこが困っているかが分かりますし、同じ仕事をしているものが教えることで、実際の障害例を挙げ業務に紐付けながら、身に付けることができます。CompTIA認定資格が実際の業務と高い関連性があるからこそ成り立つ話です。
 
会社の勉強会への理解は。
2年前からやる気のあるものだけで勉強会を開いていたのが、次第に業務に関わってきて、勉強会に出ているCEの力が認められる機会が多くなり、見方が変わっていきました。当時の上司である課長(現在部長)が活動を認め、自主的なものから、現在は会社の職務の一環として位置づけられています。今では毎週木曜日の就業後にやっています。
お客様のニーズに合わせて必要なものを学んでいくことができるので、これが各事務所に広がっていく仕組みができるとベストですね。実際、他の営業所からも自分もやりたいと言ってくれるところがあって、広がってきていますよ。
 
勉強会の様子と評価を教えてください。
夜の6時半からはじめるのですが、大体10名は勉強するものがいるのですが、実際戻れない者とかもいて、入れ代わり立ち代わりで逐次5名ほどが参加している感じです。参加した者が不参加の者のフォローをしあうといった仕組みです。大体30分くらいですが、私が講師役をやります。半分雑談も交えながら、勉強をしていきます。

自社事情で例えますと、A+は小規模のオフィス環境、オフィスの「島」単位をサポートできるレベル、Network+で中規模のオフィス環境をサポートできる能力として、身に付いていきます。自社アプリケーションの習得も別途するのですが、A+、Network+を持っているほうが、業務の中でアプリケーションを捉えられるので覚えは早いですね。

朝礼で修理報告をすることがありますが、資格取得者は解決手順が的を得た内容で、他の者の報告とは質が違います。市場での障害(IT障害を含む)対応時のダウンタイム(DT)が実際にも縮小され、お客様からも喜ばれています。
実務に行かしている姿が見えるので、みんな真剣に勉強します。勉強会で変わる人たちを見て、焦る人もいます。
 
内藤様はCDIA+も取得されていますね。
保守・メンテナンスでの訪問機会で、お客様の利用環境の問題点を理解しますし、提案する機会も多くあります。今までは技術的なものには自信がありましたが、CDIA+によってコンサルティング力にも自信が持てるようになりました。会社全体のシステムが見えるようになり、ハードウェアを治して終わりではなく、レガシーやグループウェアとの関連を考えて文書管理システムを提案するなど、情報システム担当者と対等に話せる力がつきました。

私たちは、セールスとは違い必ずオフィスに入れて頂けますので、CDIA+の取得は業務の幅が広がります。CDIA+はCEの上位クラスも取得を薦められていますが、そのとおりだと思います。
今後のCEの付加価値になると思います。
 
最後に一言お願いします。
好きな言葉に、
「頭は低く目は高く、口謹んで心を広く、考を原点として他を益する」
という言葉があります。まさにこの精神でもって、これからもお客様にサービスを提供していきたいと思います。
 
ありがとうございました。
 
CompTIAより

「プラスな人11」でもご登場頂きました内藤様ですが、今回直接お会いするのは初めてでしたが、「現場大好き!」といった活力溢れる方でした。その姿に勉強会の皆さんも背中を押されているのだろうなー、と感じています。

自らが「考え」て、より良い姿を目指し、行動に起こす。この行動に対して認めるだけの土壌がなければ、また、会社の中での「自分」の価値を考え、「会社」を考える方々がいなければ成り立たない取り組みと思います。今後、多くの事業所に広がることを期待しています。

最後になりましたが、快くインタビューに応じてくださいました内藤様には、この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。今後の益々のご活躍を心よりお祈りしております。