CompTIA認定資格活用インタビュー

お客様に「第三者評価を得ている」安心感を提供し、不況に打ち勝つ
〜株式会社タクト・マシン・サービス〜

第15回の今回は、サービスの中核を「ネットワーク」とし、サポート&サービスの事業領域を広げていらっしゃいます株式会社タクト・マシン・サービスの、首都圏CS部部長 久 清隆様、ITソリューショングループ グループ長 滝下 雅之様、人財育成チーム 中山 勝徳様にお話を伺いました。

 
CompTIA(以下、グレー部分はCompTIA )
貴社の事業内容を教えていただけますか。
【久 様】
OA機器、ネットワーク機器(ルータ、ファイアーウォール、サーバなど)に関するマルチベンダーでの各種サポート&サービスを主な事業としており、特にプリンタなどのドキュメントデバイスやPCのキッティングから、セットアップ、オンサイトを含めた保守が多くを占めています。またそれに付随する形で、機器や消耗品の販売、法人のお客様先のヘルプデスクや情報システム部門へ特定派遣として当社の社員がサポートを行う、エンジニア派遣事業などを行っています。現在、全国に34の拠点を構え、約300名のエンジニアが現場で活躍しております。
 
皆様の今までの職歴を簡単にご案内いただけますか。
【久 様】
業界歴13年目になります。その間にカスタマエンジニア、バックオフィス、コールセンターの二次窓口など、サービス&サポートの業務を一通り経験してきました。その後、営業所の拠点長、グループ長と移り、現在は首都圏CS部の部長に就いております。私の部門には5つのグループ/160名の従業員が従事しており、営業・サービス・サポート業務を提供しております。
【滝下 様】
前職でもIT系の仕事をしていまして、当社に入りましてから、現場のエンジニアを経験した後、特定派遣として複数のベンダーでシステムやネットワーク構築のエンジニアとして、またベンチャー企業の情報システムの運用を行い、現在のポジションに就いております。ITソリューショングループは、SI事業チームと人財育成チームに分かれていまして、私はSI事業チームとして、お客様へのシステムやネットワーク構築、技術者派遣などの商談を、主に担当しています。
【中山 様】
中途入社後、5年ほど現場エンジニアに就き、その後高崎で拠点長を経験しまして、現在に至ります。会社にとっての「人財」を作ることが私のチームのミッションですから、本社の研修センターを利用したエンジニア教育でのインストラクタや、人材育成での企画や運用を行っています。人材育成の企画については、3名共同で検討を行っています。
 
現場を経験し、現在のそれぞれの立場を生かして、人材育成を検討していらっしゃるのですね。
では、まず人材育成としての観点で、CompTIA認定資格の位置づけを教えていただけますか。
【久 様】
プリンタやスキャナなどのドキュメントデバイスの保守エンジニアにとって、サービス品質の維持・向上を目的とした、CompTIA PDI+があり、事業領域の拡大に伴うスキル指標、スキルの底上げとしてA+、Network+の取得を進めております。将来的には、これらの資格は、エンジニアのベーススキルと位置づけるまでにしたいと思っています。
 
CompTIA認定資格を活用いただくにあたってのいきさつを教えていただけますでしょうか。
【久 様】
会社としては資格取得にかなり以前から取り組んでおりまして、例えばある資格の取得のために、会社負担で専門学校に通わせたりするほど、手厚い支援をしておりました。ですが、当社の事業に関連する能力を評価できるかというと、ほとんど関連性がないことが分かり、現場での積極的な取得までには至りませんでした。
ちなみに、CompTIA認定資格自体は5年ほど前から認識をしていましたが、当時はプリンタなどの各種デバイス機器の保守メンテナンスに業務が集中していたので、例えば「A+」や「Network+」などには、社員たちの関心を拡げることはできませんでした。
「何故今CompTIAなのか?」といいますと、市場のニーズの変化に合わせ、事業領域を広げたためです。以前はお客様から、「ハードの修理屋」という見方をされていたところが、現在はハードだけではなく、関連するOS、ソフトウェア、ミドルウェアまでのサポート&サービスを求めるニーズが多くなってきました。関連する要因として、お客様でのトラブルがあった場合、プリンタだけの問題ではなく、PCやネットワークなどの環境に依存するケースが多くなっている点が挙げられます。
このようなケースをワンストップでサービスするために、当社のサービスの中核を「ネットワーク」とし、それに紐づくPC、デバイス、サーバなどのあらゆる機器に対してサービスを提供できるよう事業領域を拡げてきました。
こうした変化に対して、当社の事業を進めていくための人材を底上げするにあたり、直結しているものとしてCompTIA認定資格を挙げています。
 
CompTIA PDI+は市販の教材がありませんが、ご活用いただいている背景を教えていただけますか。
【中山 様】
ドキュメントデバイスの保守がメインの事業といいましても、個人のスキルを測れるものがなく、まばらな状態でした。PDI+は、「業務の指標」として、そして純粋に業務レベルの「見える化」を行えるものとして活用しています。現在約60名程度が受験を終了していまして、ほとんどの社員が認定を受けています。「業務の指標」という観点で、日頃の業務経験と、基本的な原理原則やお客様への対応をしっかりとできているかどうかを測るには適切な指標になっているものと考えています。
 
取得を進めていただく中で、何か変化はございますか。

【滝下 様】
当社の技術力が生かせる商談があった場合は、取得している資格により、商談の良し悪しが決まることが多くあります。ご存知の通り、資格といっても色々なものがありますが、昨年秋頃の景気が悪くなってきたあたりから、CompTIA認定資格のような「業務としての能力」を評価する資格に評価をいただけるお客様が多くなってきています。
背景としては、ASPやSaaSの利用、レンタルサーバの活用など、多様化してきているリーズナブルなサービスを利用しているお客様が多くなっている点があります。「××のハードやソフトの保守」を望まれるのではなく、「クライアント、ネットワーク、サーバ全般の保守」を望まれる傾向があり、CompTIA認定資格は、それに対応できる証としてご案内できる強みがあります。それに、お客様とご一緒になってIT環境を検討する機会がある場合では、CompTIA認定資格の保持が、中立的な立場で最適な環境を提案してくれる、という安心感を与えることができています。
これらを証明するトピックとして、自社スタッフでCompTIA認定資格の取得率が高い地域は、低い地域よりも商談の受注率が高い傾向にあります。競合先と比較されても、その技術力の証明で受注ができています。

【中山 様】
CompTIA PDI+の取得により、業務に紐づく資格としての認識が伝わったようで、ある拠点では自発的にA+、Network+の勉強を仲間で行うところが出てきました。確かに「見える化」として、事業で求められるものへの対応という目的は、資格取得にありますが、それ以外にもグループとしてのコミュニケーションを円滑にする効果が見えてきたのは面白いです。

 
資格取得に対する支援は何かございますか。
【中山 様】
報奨金と、毎月の給与で資格手当として支給しております。さらに、毎月の給与の基本給もアップする仕組みになっています。社内で推奨する資格はポイント制になっていますが、現在はPDI+、A+、Network+に注力しています。
 
今後への期待などありましたら、教えていただけますか。

【久 様】
当社にも「社是」といものがありますが、明確には現場になかなか浸透しておりませんでした。CompTIA認定資格の取得を通じて、当社の事業の理想としているエンジニア像が、より深く伝わっていけばと思います。CompTIA認定資格の取得が進み、思いが浸透した後は、それぞれのエンジニアが目指す、より専門的なスキルを積み上げていくことで、多様化するお客様のニーズにより多くお応えしたいと思います。

【滝下 様】
営業のメンバーもCompTIA認定資格を取得することを進めていきたいですね。価格の駆け引きをやっているだけでは疲弊するだけです。サポート&サービス業務を語り、お客様と一緒に考え、信頼を獲得できる人材がより多く増えればと思います。

【中山 様】
新しく入社するエンジニアはもちろんですが、今後は既存のエンジニアも含めて全エンジニアのCompTIA資格の取得を推進してきたいと思います。もちろん、資格を取得することが最終目標ではありません。お客様に満足していただけるサービスを提供し続けることが当社の社是であり私たちの目標ですから、そのサービス品質を維持・向上していくためのベーススキルとして、CompTIAの取得を推進していきたいと考えています。

 
ありがとうございました。
 
CompTIAより

今回のインタビューで、現在のお客様の環境、事情がよく分かりました。
当局では「資格の役割・目的を理解し、事業と関連付けながら資格を活用いただくことで、人材育成から事業の貢献を考えることができる」とご案内しておりますが、今回のお話は、まさにこのお話に適うものでした。今後もこのようなお話をより多くいただきたいと思っております。

最後にインタビューにご協力いただきました首都圏CS部部長 久 清隆様、ITソリューショングループ グループ長 滝下 雅之 様、人財育成チーム 中山 勝徳様に、この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。今後の益々のご活躍を心よりお祈りしております。