モバイルテクノロジーにより可能となった経済的、および生産的メリットを最大化させようと試みる組織は、使用されるデバイスを考察し、ビジネスプロセスと従業員ニーズを改めて分析する必要があることがCompTIA本部の調査で明らかになりました。
「デバイスレベルに焦点を当てるのではなく、従業員のニーズを特定し、デバイスを適合させる必要があります。」CompTIA
テクノロジーアナリシス・ディレクターSeth Robinsonは言います。
「最大のメリットを引き出すため、企業は従業員ニーズを評価する前に業務フローの変更を考慮する必要があります。それは大幅な変更であることから、業務上の乱れから生じるコストに重きを置きながらも、潜在するアドバンテージに対し変更を支障なく行う必要があります。」
現段階で、多くの企業がこうした手順を取っていないことが、CompTIA米国本部「第2回エンタープライズモビリティの動向」調査からわかっています。現在のアクティビティの大半は、プロビジョニング、セキュアリング、そして既存システムへのアクセス許可といったように、デバイスを中心に展開されています。
CompTIAの調査に参加した企業の大半は、従業員に自身のモバイルデバイスの職場への持ちこみを許可しています。最も多かったのは、企業ユースと個人ユースといった用途別デバイスの混合でした(58パーセント)。3分の1にあたる企業が、業務目的で使用できるデバイスを厳しく定めており、従業員提供によるいかなるデバイスの使用を許可していません。その他8%の企業は、すべてにおいて従業員提供としています。
従業員に少なくともある程度のデバイスを提供する企業では、その理由を「39% - ITサポートを標準化し強化するため」「31%
- 手当支給よりもデバイスを提供する方がコスト効率がよいため」としています。
「上記の理由は、BYODはコスト削減につながるとして推奨するグループの意見と反するものです。ベストプラクティスはコストダイナミクス(価格の原動力)を変えるかもしれませんが、BYODはクラウドコンピューティング同様、企業が戦略を推し進める上でコスト削減とは異る導入理由に行きつくかもしれません。」Robinsonは指摘します。
従業員が自身のモバイルデバイスを職場に持ち込むということは、自身が利用するアプリケーションやサービスも持ち込まれることを意味します。結果として、モバイルデバイス管理(MDM)分野は、モバイルアプリケーション管理(MAM)も含むよう急速に変更を行っています。
企業は、仮想デスクトップの検討/実施(49%)、ビジネスシステム用のカスタムモバイルアプリの構築(29%)、ビジネスアプリケーションのクラウドモデルへの移行(28%)を含む広範囲のソリューションを必要としています。
モバイルエコシステムを形成するパーツ
企業の視点から見ると、モバイルエコシステムはクラウドサービスと連携して大きな変化を象徴します。ITアーキテクトは、しばし二重の目的を果たし、サードパーティのシステムとの連動が可能なデバイスに取り組む必要性に迫られています。以下の図はこうした課題を表します。

「アプリ開発者、クラウドプロバイダー、無線通信キャリアー、デバイスOEMの間では、機能や業務フローに影響を与えることができる人物が多くいます。そして以下のような疑問につながります。」Robinsonは言います。
● 物理デバイスの担当者は誰であるのか。
● デバイス上のソフトウェアを制御しているのは誰であるのか。(OSを含む)
● デバイスの接続方法を制御しているのは誰であるのか。
● モバイルアプリを介してアクセスできるバックエンドシステムはどの程度セキュアであるのか。
CompTIAの調査に参加した企業98%が、ある程度のモバイルソリューションの導入を報告しています。こうした傾向は、モバイルソリューションが非常に広い範囲で注目されていることの表れであり、今後も進化を続けることから、とても高いレベルで影響を与えるでしょう。
CompTIAでは、このような調査に加え、企業とモバイルテクノロジー利用を支援するためあらゆるイニシアチブを後援しています。それには、モバイル技術とサービス分野でソリューションプロバイダーが直面する課題に取り組む業界リーダーから成る活動グループ
CompTIA Mobility Communityや、モバイルテクノロジーに関する教育やトレーニング、スキル認定資格などが含まれます。
CompTIAの「第2回エンタープライズモビリティの動向調査」は、2013年2月実施 米国のITビジネスエグゼクティブ502名を対象に行ったオンライン調査に基づいています。詳細な報告書はCompTIAメンバーに公開しています。
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