ワールドワイドで200万人以上のITエキスパートに取得されているCompTIA認定資格の中でも最も人気の「CompTIA A+」。2019年1月からは、CompTIA A+の8代目となるCompTIA A+ Coreシリーズの提供が開始されました。(英語試験のみ。日本語試験提供のスケジュールは未定。)それに伴いサイトの一部をリニューアルしました。
時代の変遷とともに、それに合わせて形を変えていくCompTIA(コンプティア)認定資格。IT業界のTopicを年代ごとに振り替えるとともに、CompTIA A+の歴史を少しだけご紹介します。
CompTIA A+は、1990年のWindows普及に伴い、企業においてコンピュータを管理・運用するという人材の不足に備えるため1993年に提供が開始されました。その後、CompTIA A+は「企業におけるIT環境を設計・構築、保守・運用する人材」を育成するための認定資格として、様々な改訂が行われています。CompTIA A+の歴代の改訂を見ることは、企業におけるITの流れそのものを表しています。
【CompTIA A+誕生】(初代 1993年~)
初代のCompTIA A+は、マイクロコンピュータの保守と修理に焦点が置かれ、マザーボードやポート、モニターなどコンピュータのハードウェアがスキルの中心に置かれていました。この頃の企業でのコンピュータの多くはスタンドアロンで稼働していることが多く、まだネットワークやセキュリティといっ)たスキルが、CompTIA A+の中で問われることはありませんでした。
【CompTIA A+2代目】(2001年~ 2001バージョン)
2001年に提供が開始された2代目のCompTIA A+では、初めてネットワークが出題に追加されています。そして、Windowsが大きなシェアを占める中、Apple Macintoshは試験内で問われることがなくなります。
【CompTIA A+3代目以降】(2004年~ 2003バージョン)
2004年提供開始の3代目以降のCompTIA A+では、IT環境の運用の中で発生するトラブルを効率よく解決するためのトラブルシューティングのスキルが問われるようになります。また、2006年以降では、セキュリティが出題項目として独立して出題されるようになります。企業において、セキュリティの維持が大きな懸念となり始めました。 そして、2013年に提供が開始された6代目CompTIA A+では、PCデバイスという対象から、ポストPCといわれるスマートフォンやタブレットなどの管理・運用のスキルが問われるようになります。
これに伴い、今までWindowsが中心だったOSの出題内容に加え、iOS、Androidといったモバイルデバイス向けのOSが出題の対象となりました。2016年に提供が開始された前バージョン、CompTIA A+900シリーズでは、デバイスの多様化に合わせたOSの多様化により、MacやLinuxが追加され、IoT時代に向けたスキルに沿った出題内容となっています。
New!【CompTIA A+8代目】(2019年~ Coreシリーズ)
そして、今年リリースされた最新のCompTIA A+では、デバイスやハードウェアといった概念は小さくなっています。クラウド、IoT、仮想化の導入が進む中、企業の管理・運用の担当が最も考慮すべきは、いかなるデバイスからでもセキュアにデータにアクセスできる環境を維持することに変わっています。
CompTIA A+は、2~3年に一度、その時に必要とされるスキルセットを見直しするために試験の改訂が行われます。改訂の際には、IT業界のエキスパートが、現在、そして将来的に必要なスキルを策定、問題の作成を行います。最新のCompTIA A+には、DellやシスコシステムズといったIT企業から、またUS Bankといったエンドユーザー企業から、そして、米国国防総省などの政府機関からITエキスパートが集まり改訂が実施されました。
様々な分野のエキスパートにより策定されたスキルセットは、ワールドワイドのサーベイを行い、ワールドワイドでのスキル基準が作られます。
このようなプロセスと認定資格の正当性が評価され、CompTIA A+は、ISO 17024を取得しています。これにより、人材育成におけるグローバルスタンダードとして法人を中心に広く活用されています。CompTIA A+改訂の歴史については、下記のWebサイトをご覧ください。
CompTIA A+大特集サイト
https://www.comptia.jp/certif/comptia_aplus_certification.html
【CompTIA A+(コンプティア エープラス)について】
1993年のPCの爆発的な普及に伴い、クライアント環境の運用管理業務を理解する人材が急激に不足するといった事態が生じました。これに対処するため、CompTIAがそれまで培った技術標準化のノウハウを活かし、IT業界の各社が集まり「IT業務に必要とされるスキルの標準化」を行いました。この標準化されたスキルを有しているかを判断する指標として開発されたのが「CompTIA A+」です。CompTIA認定資格は、CompTIA A+から始まりました。
その後、ビジネスで利用されているIT環境の変化に合わせ、様々な業務分野の認定資格が開発されました。まさに「IT業界の流れそのもの」を表しています。
【CompTIA(コンプティア)について(https://www.comptia.jp)】
1982年、様々なIT規格の標準化を提言するため、ITベンダーとパートナー企業がオープンな対話を行う場なるべくグローバルなIT業界団体としてシカゴで設立。1990年、IT業界の活動を反映するべく、名称をCompTIA( the Computing Technology Industry Association)に変更。欧米を中心とし10拠点に拡大し、2001年4月にCompTIA(コンプティア)日本支局を設立。2018年現在、CompTIA(コンプティア)は、ICT業界を中心にした2,000社以上のメンバー企業、3,000社以上の学校機関、トレーニング関連の企業とのパートナーシップを締結し、数万人を超えるITプロフェッショナルのコミュニティを運営しています。IT業界団体として、ITハードウェア/ソフトウェア、サービスを提供する企業や、業界のキーとなるITプロフェッショナルなどの成功と成長に貢献できるよう、ITに携わる企業や個人の利益を高めるための「教育」、CompTIA認定資格での「認定」、IT業界の声を反映しIT政策に反映するための「政策支援活動」、IT業界への「社会貢献」の4つを柱として活動を続けています。
【CompTIA認定資格について(https://www.comptia.jp/cont_certif.html)】
1993年に、Windowsのリリースを始めとするIT環境の変化に伴い、ITを管理する人材の必要性の高まりから、ビジネス環境において利用されているITハードウェア/ソフトウェアを理解し、より複雑なIT環境の管理、サポート、運用を行うスキルを評価するCompTIA A+の提供を開始。その後、IT環境の変化に伴い、ネットワーク管理者の必要性が高まりCompTIA Network+、セキュリティ人材のニーズに応じCompTIA Security+の提供と、その時代に即した人材を効率的に輩出できるように認定資格が開発されています。CompTIA認定資格は、業界のエキスパートにより開発され、実践力、応用力を評価するベンダーニュートラルの認定資格として、法人を中心にワールドワイドで200万人以上に取得されています(2018年4月現在)。CompTIA A+、Network+、Security+、CySA+、CASP+は、認定資格の人材評価の有効性が認められ、IT認定資格としては数少ないISO 17024の認定を受け、信頼性の高い認定資格として評価されています。日本国内では、ワールドワイドのスキル基準での人材育成を行う企業を中心に、導入が進められています。
2018年4月現在、Network+など14分野におよぶ業務に関する認定プログラムを提供しています。