米国本部ブログ: 4 Ways to Be More Strategic with IT
過去数か月間、ITは多くの企業にとって非常に戦術的に使われてきました。リモート作業への移行を可能にし、業務の維持や調整はフルタイムの仕事でした。当初のショックも通り過ぎたことから、フィードバックが生まれたことでしょう。危機的状況から、何を学びましたか?そして、将来のリスクを軽減するための取り組みは明確になりましたか?
この変化から至った結論は、うまく舵取りができた企業は、事前に準備が整っていた企業であり、必ずしも最速で計画を立てたということではないということです。誰しもこの規模の混乱を予測してはいなかったものの、一部の企業はモバイルワーカーやクラウドベースのアーキテクチャに向け歩みを進めていました。このような取り組みは、当面の問題には対処できていなかった可能性はありますが、将来を見据えて実施されていたのです。
CompTIAのホワイトペーパー「Using Strategic IT for Competitive Advantage ~競争優位を生み出す戦略的ITの活用~」では、ITオペレーションの進化について触れています。ITは、以前はより戦術的なサポート機能でした。しかし現在では、企業の成長と競争を支援する上で重要な役割を果たします。私たちがパンデミックのショックから再構築を続けるなかで、戦略的ITを考えるための4つの要素が存在します。
トップライン vs. ボトムラインを考える
過去50年間、ITはコストセンターと考えられてきました。企業は、コストを削減しながら同レベルの技術能力を維持するか、または、一定の予算で段階的に構築しようとしていました。しかし、戦略的アプローチにおいては、財政はより多面的となります。今では、何らかのビジネスへの利益を期待した投資が行われています。つまり、ITプロはROIを計算するスキルを身に付ける必要があります。「このお金を使わないと、システムが機能しなくなる」と言うのではなく、「このお金を使うことで、指標が改善される」と言う必要があります。これは、投資がメトリックにどう関連付けられているかを理解し、さらにどのメトリックがビジネス事業部にとって最も重要であるかを理解することにもなります。
消費 vs. 実装に重点を置く
戦術の世界では、オペレーション(運用)システムを配備することが重要です。ITチームは、システムパフォーマンスの詳細に焦点を合わせることがありますが、ビジネス全体にとって第一の基準は「稼働時間」です。戦略の世界では、使用率を測定することで、改善の有無を特定することができます。これは、コンピューティングとストレージの使用に応じて支払うことができる環境においては特に当てはまることです。インフラストラクチャからアプリケーションまで、消費の詳細を理解し、アーキテクチャを微調整することで効率が向上し、イノベーションの可能性が高まります。
ITコンポーネントを必要品 vs. ぜいたく品とするか
必要なテクノロジーは企業ごとに異なります。従業員の構成、テクノロジー導入に対する姿勢、テクサポートの可用性はすべて、企業のテクノロジー基準の要因となり得ます。しかし、すべての企業にとって、かつてはぜいたくと見なされていたアイテムは、今ではデジタル経済では必要不可欠となっています。例えば、以前までは、どの従業員がノートPCやスマートフォンを持つべきか厳密な見方をしていました。その後、世界的なパンデミックにより、全員がリモートワーカーになる状況へと変わっています。今日のニーズのみに焦点を当てるだけでは、明日の変化に備えるための最善策と言えません。
ソリューションを一緒に構築する vs. サイロで運用するか
ITをサポートと見なすと、丸投げしてしまう傾向があります。ビジネス事業部は必要なものを述べ、ITはソリューションを構築します。すべての部門が専門知識を提供することで、トレードオフを決める明確な優先事項が生まれます。セルフサービスのクラウドシステムが普及するにつれ、ビジネス事業部は独自の調達を試みました。しかし、セキュリティとインテグレーションに関する問題により、エンタープライズアーキテクチャは段階的に構築することができないことが明らかとなりました。今では、ITチームが将来の決定に関与し、業務上の問題に関して実用的な知識を提供しています。
戦略的ITのマインドセットへの移行は容易ではありません。容易であったなら、予期せぬパンデミックであっても、これほどの頭痛を引き起こすこともなかったでしょう。しかし、これはデジタルトランスフォーメーションに欠かせない部分なのかもしれません。戦略的ITには組織全体での変化が求められます。ITチーム(クライアントにIT機能を提供するビジネスを含む)にとっては、新しいプロセスと新興テクノロジーに関するスキルを構築することでリーダーシップを発揮するチャンスと言えるでしょう。