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ITプロのメンタルヘルスに影響する5つのストレス要因とその対処法(CompTIA米国本部ブログより)

2022/03/07

米国本部ブログ:5 Strategies to Proactively Address the Growing Mental Health Crisis Amongst IT Professionals


it-pro-mental-health.jpg本ブログの著者であるSamtani博士は、インディアナ大学(IU)のケリービジネススクールの助教授で、グラントソントン奨学生でもあります。彼の研究テーマは、サイバー脅威インテリジェンスです。Samtani博士は、CompTIA ISAOのエグゼクティブアドバイザリーカウンシルメンバーでもあります。また、もう一名の著者Garcia氏は、IUの公衆衛生学部でメンタルヘルスリテラシーを研究する博士課程の学生です。

サイバーセキュリティやシステム管理などにおける、ITプロフェッショナルの深刻な人材不足を解消のため、産学官が注力を注いでいます。ITプロフェッショナルの多くは、期待とともにキャリアをスタートさせ、素晴らしいキャリアを歩むことを望んでいます。しかし、ITプロフェッショナルが直面する大きなプレッシャーと絶え間ない消火活動に、彼らの期待はすぐに冷めてしまいます。このような問題は、適切に対処しなければ、ストレス、うつ病、不安など、急性および慢性のメンタルヘルス上の懸念を引き起こす可能性があります。

一般的なアプローチは、自己治療(アルコールなど)や、我慢をするといったことかもしれません。しかし、重大なストレス要因に対処し、メンタルヘルス上の懸念を引き起こすリスクを減らす方法があります。本ブログでは、ITプロフェッショナルが直面する一般的な5つのメンタルヘルスのストレス要因と、プロアクティブかつ健康的な対処法を紹介します。

1.新しい言語の学習

ストレス要因:ITは複雑な用語や略語が多い分野です。ITプロフェッショナルは、新しい言語を学ぶ間、大きな苦労に直面したり自分を責めることがあるかもしれません。しかし、学習には時間がかかるのは当然です。ごく当たり前であることを認識して取り組む必要があります。

対処法:利用できるリソースの確認をしましょう。なければ作成してもいいかもしれません。新しい職場であれば、マニュアルがあるか確認してみましょう。略語をまとめたチートシートなどがあればさらに有効です。

そのようなリソースがない場合は、上司や同僚と協力して作成しましょう。誰もがアップデートできアクセスできるよう共同作業で作成するのがよいでしょう。

2.「平常」は称賛されにくいが、非難は早い

ストレス要因:サッカーのコーナーバックと同じで、ITプロフェッショナルがうまく仕事をこなしても誰もその存在に気付かないことがあります。しかしその反面、ITプロフェッショナル、特にセキュリティオペレーションセンターのアナリストは、何か問題が起きるとすぐに非難されがちです。その結果、雇用の保障にまつわるストレスが大きくなることがあります。これは、慢性的な不安へと変化する可能性があります。

対処法:ITプロフェッショナルは、問題が発生したときの手順や、雇用の保障にまつわる懸念などについて、雇用主と率直に話し合う必要があります。このような話し合いが早い段階から頻繁に行われることで、雇用に関するストレスを軽減し、さらに日頃の貢献を称賛する機会にもつながります。

3.問題探求による疲弊

ストレス要因:ITプロフェッショナル、特に小規模な企業では、しばしば重大な偵察、フォレンジック、可能性のある問題の調査的な作業をアドホックに行うことを要求されます。例えば、ダークウェブで悪意あるコンテンツを探したり、解雇された従業員のワークステーションから違法な資料を探したりなどです。

こうした経験は、悲しみや嘆きなど精神を悪化させる可能性があります。

対処法:ここで大きなポイントとなるのは、ため込まずに、セラピストに相談するなど健全なストレスリリース方法を見つけることです。

4.夜勤

ストレス要因:ITシステムの安全性を保つのは24時間365日の仕事です。看護師や医師がそうであるように、ITプロフェッショナルも夜通しシステムを保護しなければなりません。夜勤は、特に夜型の習慣がない人にとっては、ストレスになります。夜勤は、概日のリズムを狂わせ、健康上の懸念のリスクを増加させる可能性があります。

対処法:夜勤を担うのであれば、日中の睡眠を少しでも楽にする行動を実践するようにしましょう。休憩時間の仮眠や、仕事後の行動を制限する、周囲にスケジュールを知らせるなどです。ルーティンを決め、環境に注意を払うことでストレスを軽減することができます。

夜勤が合わない場合は、ローテーションでもってその業務から外してもらうよう雇用主と話し合い交渉する必要があります。

5.オフタイムが作りにくい

ストレス要因:「コンピュータを見てほしい」こうした質問は無害であるものの、友人や家族から週末や休日に投げかけられることがしばしばあります。本当の意味でエネルギージャージすることができないと感じるITプロフェッショナルもいるでしょう。

対処法:境界線を設定し、仕事から離れる時間を楽しみましょう。友人や家族の手助けをしたい、断れない、といった場合には、自身の休息をすべて削るのではなく、手伝う時間を決める、他のリソースを紹介するといった方法を検討しましょう。

心身の健康が第一です。セルフケアの実践には、断るタイミングを知ること、自身の健康状態を維持するための境界線を設定することが重要です。

「なぜ」を忘れない

ITプロフェッショナルは、21世紀の組織を支えるいわば柱となる存在です。このキャリアパスを選んだ理由を忘れないようにしましょう。なぜITの世界に入ったのか、なぜITが好きなのかを考え、上記を実施することで、長期的にポジティブなメンタルヘルスを維持することができます。