米国本部ブログ：Top IT Skills in Demand in 2022
ここ数年で学んだことの一つが、2022年は進歩が続き、デジタルトランスフォーメーションが加速する年になると予想されていることです。ITプロフェッショナルは、進化するテクノロジーに対応するため、積極的に新しいスキルを身につける必要があります。そのような需要の高いスキルは、自身のITキャリアを支え競争力を維持するものとなります。
今年身につけたい22のITスキル
新年度は、ITプロフェッショナルにとって新しい知識を習得し、ITスキルのレベルアップを図る時期です。現状維持では、その分野での存在意義を失いかねません。本ブログでは、2022年需要の高いITスキルをご紹介します。プロフィールに追加することで、自身の目標達成に一歩近づきましょう。
ITスキルに関する簡単なファクト
CompTIAのリサーチチームは、2021年に更新されたCyberstatesレポートを基に、2022年に求められる上位のスキルを特定しました。それらは、IT機能を4つの柱に分けた「IT Framework」によって分類されています。
● Infrastructure: インフラストラクチャ
● Development: 開発
● Security: セキュリティ
● Data: データ
Burning Glass Technologies Labor Insightsによると、2021年の第2四半期には、米国では93万件以上のIT関連職の求人情報が掲載されました。IT業界で求められているスキルを確認し、次のステップを定めましょう。
IT業界で最も求められているスキルとは？
2022年自身のポテンシャルを引き出し、ITキャリア前進のために抑えておきたい人気のITスキル22をご紹介します。
Infrastructure: インフラストラクチャ
１．ネットワーク
私たちのアクティビティすべてはネットワークから始まります。そのため、ITプロフェッショナルはコンピュータネットワークの背後にある技術を理解することがいかに重要であるか理解しています。
２．クラウドコンピューティング
リモートワークの増加に伴い、クラウドの需要も高まっています。クラウドスキル（設定、デプロイ、セキュリティ、管理、トラブルシューティングなど）は、ITプロフェッショナルに不可欠なものとなっています。これには、SaaS（Software as a Service）ソリューションのエンドユーザーサポートから、Microsoft AzureやAmazon Web Services（AWS）などのクラウドプラットフォームの分析、管理、保守、デプロイまであらゆることが含まれます。
３．テクニカルサポート
多くのITプロフェッショナルがテクニカルサポートからキャリアをスタートするのには訳があります。ヘルプデスクで磨かれたトラブルシューティングや問題解決のスキルは、いかなる専門分野に進んだとしても、キャリアを通じて幾度も使う強固な基礎となります。
４．Linux
企業はLinuxのうまい運用方法をITプロフェッショナルに求めています。基本的な保守、ワークステーションのインストールと設定、ネットワーク、Linuxコマンドラインの理解などは、今すぐ習得すべきスキルといえます。
Development: 開発
５．プログラミング言語
Java、JavaScript、C++、Pythonなどのプログラミング言語を理解することは、今求められているITスキルといっても過言ではありません。プログラミング言語は、ほぼすべてのIT職に関連することから、ITプロフェッショナルはこれらのスキルを強化することがメリットとなります。
６．ユーザーエクスペリエンス（UX）
適切なUXデザインは、生産性の向上、サポートコストの削減、顧客の維持や獲得につながることから重要視されます。こうした利点は、課題の多い年により健全な収益を上げるため取り組んでいる企業にとって魅力です。ITプロフェッショナルは、ターゲット市場の調査に関する知識、視覚デザインのスキル、コーディング、プロジェクト管理スキルといったUXデザインを学ぶことで、IT業界におけるエキスパートとしての地位を確立することができます。
７．マシンラーニング
マシントレーニングに関するスキルは多岐にわたります。ITプロフェッショナルは、ソフトウェアエンジニアリング、システム設計、コンピュータサイエンスの基礎、プログラムから始めるとよいでしょう。このような能力は、データからパターンを見つけ出す際に役立ちます。
８．品質保証
品質保証の担当者は、データ分析を用いて工場やビジネスプロセスで作られる製品の問題点や機会を見出します。エラーや脆弱性を最小限に抑え、物事が正確に行われていることを確認します。
９．モバイルアプリケーションスキル
企業では、顧客接点の拡大のためモバイルアプリのソリューションにますます注目しています。アプリケーションプログラミングインターフェース（API）開発のプラットフォームや、クロスプラットフォームのアプリ開発フレームワークへの理解は、ITスペシャリストがモバイルアプリケーションを開発し、新しいデジタルソリューションを開発する上で役立ちます。
Cybersecurity: サイバーセキュリティ
１０．リスク分析
リスク分析は、組織に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクや脆弱性を評価することです。サイバー犯罪の高まる中、リスクの特定、分析、管理のようなサイバーセキュリティスキルは、ITプロフェッショナルが組織の機密データを保護する上で役立ちます。
１１．サイバーセキュリティ分析
サイバーセキュリティとデータ分析の交点にあるのがサイバーセキュリティ分析です。セキュアペリメーターがないクラウドの世界では、データのセキュア化が非常に重要です。これには、脅威インテリジェンス、侵入検知と対応、リスク分析、データモデリングが含まれます。
１２．ペネトレーションテスト
ペネトレーションテストとは、サイバー犯罪者より先にシステムの脆弱性を発見する方法です。サイバーセキュリティ分析が防御的な戦略とされるのに対し、ペネトレーションテストは攻撃的な戦略とされます。両者は、異なる手法で組織を守るため協力して取り組みます。
１３．コンプライアンス
コンプライアンスは、規制に準ずるアクションや事実と定義することができます。コンプライアンスは、セキュリティや追加的なサイバーセキュリティ業務の多くの側面で用いられることから、その背景を理解することが重要です。
Data and Analytics: データとアナリティクス
１４．データベース管理
データベース管理システムの設定や保守、あるいは新しいテクノロジーに対応するためのデータベースコードの更新など、データベース管理者は、組織化されたデータベース環境のあらゆる側面を管理するために存在します。データ管理には、SQL（Structured Query Language）というプログラミング言語が非常によく使用されます。SQLは、リレーショナルデータベースの標準的なプログラミング言語であるため、ITプロフェッショナルはこれらのデータベースをどのように構成し、管理するかを知っていることが重要です。データベース管理者を目指す人は、SQLを徹底的に学ぶことをミッションとすべきでしょう。
１５．データ分析
データ分析に精通したITプロフェッショナルは、組織がより良い成果を出せるようデータセットを検証し結論を出すという能力を備えます。今年最も需要の高いITスキルとして、ITスペシャリストはデータ分析の能力を習得することが不可欠です。先に挙げたスキル、マシンラーニングやプログラミング言語などを身につけることで、データ分析のスキルセットを強化することができるでしょう。
１６．データビジュアライゼーション
データセットは複雑かつ理解が難しいとされます。組織は、それを分析し、その意味を伝え、なぜステークホルダーが注視すべきかを伝えるため、データを可視化できる人材を必要としています。データビジュアライゼーションは、組織全体の意思決定を導く手助けとなります。
１７．データサイエンス
組織は、生のデータを解釈し、データアナリストが意思決定の指針として使えるフィードバックに変換できるプロフェッショナルを必要としています。さまざまなプログラミング言語（SAS、RおよびPythonなど）の習得により、ITプロフェッショナルはこうした業務を行うことができます。
１８．ビッグデータ
ビッグデータとは、既存のツールでは扱うことのできなかったデータを、新しいテクノロジーツールを使って扱うことをいいます。2022年に求められるビッグデータに関するITスキルとしては、効果的な問題解決スキル、データ処理スキル、プログラミング言語の理解などが挙げられます。これらのスキルを磨くことで、キャリアアップを図ることができます。
Additional Professional: その他プロフェッショナルスキル
１９．プロフェッショナルスキル
テクニカルスキルに加え、さまざまなプロフェッショナルスキルを備えることが重要です。適応性、共感性、チームワーク、コミュニケーション、アクティブリスニングは、雇用主はテクニカルスキルと同様に重視します。ITスペシャリストにとってこれらのスキルの構築や強化も優先事項とされます。
２０．プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントのスキルは、プロジェクトの規模にかかわらず横断的に適用でき、より良い業務を可能にします。プロジェクトマネジメントの方法論を理解すること、さらにプロジェクトライフサイクルの管理、ステークホルダーとのコミュニケーション方法を学ぶことで、業務の効率と効果を高めることができます。
２１．オートメーション
オートメーション（自動化）は効率性を高め、まさに多くの企業がそれを必要としています。ITプロフェッショナルは、ヘルプデスクからサイバーセキュリティまであらゆるレベルにおいてオートメーションを導入することができます。
２２．ビジネススキル
プロフェッショナルスキルは「どう振る舞うか」である一方、ビジネススキルは「何を知っているか」です。ITプロフェッショナルとして、組織がどう機能しているか、ビジネス上の優先順位や目標は何か、従業員やエンドユーザーが直面している課題は何かをより理解することで、より良いソリューションを提案することができます。
今年必要なITスキルを身につけるためには
上記のリストを見ると圧倒されてしまうかもしれませんが、必要なテクニカルスキルを習得するためのプランニングが鍵となります。
CompTIAは、リストにある需要の高いスキルの多くを証明するIT認定資格を提供しています。CompTIAのラーニングソリューションから始め、認定資格を取得することで自身の知識を雇用主に証明しましょう。
● CompTIA A+は、問題解決、トラブルシューティング、仮想化、他の基本的なITスキルといった、ITキャリアを通して役立つ知識を網羅します。A+は、ITキャリアをスタートする上で基盤となる要素を扱い、インフラストラクチャの柱であるテクニカルサポートにおいて大きな役割を担います。
● CompTIA Security+は、セキュアなサーバー設計、アプリケーションセキュリティ、ソフトウェア開発に関連するものなど、セキュリティの中核となる機能を実行するために必要な基本スキルを網羅しています。サイバーセキュリティは、Security＋に関連したすべての要素を含む重要な柱となります。
● CompTIA Server+は、サーバー管理を最適化するためのオートメーション、スクリプティング、仮想化、さらには、トラブルシューティングやクラウドなど、サーバー管理・運用に関連する内容を扱います。Server+は、開発の柱において、モバイルツールの開発などによるさらなる評価や生産性を高めるスキル習得に大きな役割を果たします。
● CompTIA Cloud+は、クラウドの構成、デプロイ、セキュリティ、管理、トラブルシューティングを網羅します。インフラストラクチャの柱に欠かせない要素です。
● CompTIA Linux+は、Linuxのコマンドライン、基本的な保守、ワークステーションのインストールと設定、ネットワークを含むLinuxの主要ディストリビューションにおける一般的な業務を網羅しています。インフラストラクチャの柱では、Linuxを個別のスキルとして挙げ、柱を支えるものとしています。
● CompTIA Project＋は、中小規模のプロジェクトを管理するために必要な基本的な概念を網羅しています。
● CompTIA Data+は、データの概念、データマイニング、データ分析、ビジュアライゼーション、データガバナンスを網羅し、データドリブン型のビジネス意思決定の構築や推進をサポートします。これらのスキルは、データやアナリティクスの柱に関連します。
これらのIT認定資格を取得することで、2022年に求められるITスキルを身につけることができます。その結果、まさに転換期とされるこの年に、自身のキャリアを確立することができます。
