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DX推進で顕著になるスキルギャップとリスキリングでのアプローチ

2022/06/07

コロナの状況が変化をみせ、多くの企業でIT投資が再燃してきています。
2022年のIT投資動向から確認をしておきましょう。

2022年の支出をベースにした内容となりますが、全体では、5兆ドル超えの業界となります。
2020年からのコロナの影響で、全世界的に、支出が抑えられていた傾向がありましたが、今年に入ってから全世界的には再度成長の傾向がみられています。

20220524_blog1.pngさまざまな調査で、コロナ禍の影響を受けながらも、リモートワークへの移行、5G、デジタルトランスフォーメーション(DX)、そして将来的な労働人口の減少を見据えたITの推進など、ITへの投資は一定のニーズが保たれていることがわかります。
全世界的にみると、日本の支出ベースは、まだ控えめな傾向がみられます。しかしながら、日本国内では、全社的/一部の部門でのDX推進を入れると、実に90%の企業が何らかの取り組みを進めていると報告されています。(出典:日本企業のDX推進実態調査2022/pwc から引用)

IT支出の増加に伴い、IT人材の雇用も引き続き増加の傾向がみられます。
CompTIAが実施した調査でも、2010年から継続的にエンジニアの雇用が伸びていることがうかがえます。2030年までには、さらに雇用が増え「IT人材の質・量の不足」は、なかなか解消しないのが現状のようです。そして、これは、特定の業種や職種に限ったことではなく発生しており、今後は、より広域になると予測されています。

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IT人材が不足する一方で、DXが推進される今、企業では新たなITの導入が進み、それを検討する人材、導入する人材、そして運用する人材がいない・・・まさに多くの企業が直面している課題ではないでしょうか。

その中で、重要となるキーワードが「リスキリング」です。経済産業省の資料では、リスキリングは、下記のように定義されています。

「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」

20220524_blog3.pngCompTIAの調査でも、リスキリングへの取り組みが進められている現状がうかがえます。
企業がスキルを持った人材を確保するためには、2つの方法が考えられます。1つは、新たに人材を雇用すること。そして、もう1つが既存の人材をリスキリングすることです。この調査では、現在将来的な企業のニーズを満たすために、80%以上の企業が、リスキング/アップスキリングに取り組むと回答をしています。

そして、実際に多くの企業が既に取り組みを始めていることを受け、2020年のITトレーニング業界は、グローバルで4.2%の成長を見せています。(CompTIA同調査より)

しかし、依然として、企業におけるスキルギャップは大きな課題となっています。
CompTIAが実施した調査「IT Career Insights 2021」でもその傾向は変わらないことが報告されています。

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20220524_blog3.pngまた、ITプロフェッショナルとして、企業で従事する人材も、72%の人が、今後6ヵ月の間に自身のスキルに対して、追加のトレーニングや教育が必要と考えていることが報告されています。

企業では、スキルギャップが問題となり、ITプロフェッショナルは、自身のスキルをブラッシュアップする必要があると考えている・・・まさに、リスキリングの期は熟したという感じでしょうか。

そこで、リスキリングを考える上で、CompTIAから2つの提案です。

まず1つ目は、IT認定資格をうまく活用することです。
IT資格の活用ルールとCompTIA認定資格の役割とは?」でもご紹介をしていますが、たくさんあるIT認定資格は、それぞれに役割があり、それぞれに評価されるスキルセット、目的とされる人物像が異なります。そして、その目的とされる人物像は、認定資格の出題範囲という形で公開がされています。
例えば、CompTIA Security+であれば、セキュリティ関連の業務を2年程度経験された人物が持つべきスキルが想定されています。その上で、出題項目が決定され、出題範囲として、細かな項目が策定されています。
CompTIA認定資格の開発手法については、「試験開発、配信開始、配信終了:CompTIA認定資格試験の開発手法とは」をご覧ください。

CompTIA Security+(SY0-601)
1.0 攻撃、脅威、脆弱性 24%
2.0 アーキテクチャと設計 21%
3.0 実装 25%
4.0 運用とインシデントレスポンス 16%
5.0 ガバナンス、リスク、コンプライアンス 14%

IT人材を育成する上で、まずは、どのような人材を育成するかを検討し、それに合わせて、認定資格の出題範囲から逆引きをすることで、IT認定資格を効率的に活用することが可能です。

20220524_blog5.pngそして、2つ目です。ITスキルをそのスキル単体ではなくスキル要素の積み上げで考えるということです。
CompTIAでは、常々、認定資格をキャリアパスでご紹介してきました。これは、上記のスキルの積み上げが必要であると考えているからです。
例えば、DXを推進するため、クラウドのスキルを身に着けるために、クラウドについて育成をする・・・その際に、ネットワークの基本がわかっていなければ、クラウド全体を理解する際に、また、クラウドを最適化する際に「わからないこと」が出てくるかもしれません。
そして、スキルのベンダーロックインを避けるという意味でも、全体を理解し、他の選択肢を常に検討できるためのスキルを持っていることが重要です。

また、CompTIAでは、DX全体のワークフローで必要とされるスキルを認定資格で紐づけた「DXをワークフローで考え、資格を紐づけてみる」をご紹介しています。DX推進にかかわる全社員に必要となるスキルを俯瞰的に検討することが可能です。

企業でDXを推進していく上では、現在の社員の「リスキリング」をしていかなくてはならないということは、共通認識になってきつつあります。
いかに効率的、効果的にこれを実施するか・・・ぜひ、認定資格の活用も検討いただければと思います。