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2024年に求められるITスキル(CompTIA米国本部ブログより)

2024/02/29

米国本部ブログ: Top IT Skills in Demand in 2024


top-it-skills-in-demand.pngITプロフェッショナルは、変化するテクノロジーに対応するため、新しいスキルを積極的に習得する必要があります。そうした需要の高いスキルは、自身のITキャリアを支え競争力を維持するものとなります。

今年身につけたい24のITスキル
新年度は、ITプロフェッショナルにとって新しい知識を習得し、スキルのレベルアップを図る時期です。現状維持では、その分野での存在意義を失いかねません。本ブログでは、今年需要の高いITスキルの中から、履歴書に追加することで自身の目標達成に一歩近づくものを紹介します。

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ITスキルに関する基本データ
CompTIAのリサーチチームは、2023年12月31日までの12か月間を対象としたLightcastの求人データの分析に基づき、2024年に求められる上位のスキルを特定しました。それらを、IT機能を4つの柱とする IT Framework で分類しています。

● Infrastructure: インフラストラクチャ
● Development: 開発
● Data and Analytics: データと分析
● Security: セキュリティ

Burning Glass Technologies Labor Insightsによると、2023年12月時点で、米国のIT関連の有効求人数は364,000件近くに達し、このうち142,295件は新たに追加されたものです。CompTIA Tech Jobs Reportによると、5のセクターカテゴリのうち4つでIT職の増加が記録されたことがわかりました。IT業界で求められているスキルを確認し、次のステップを定めましょう。

IT業界で最も求められているスキルとは?
2024年、自身のポテンシャルを引き出し、ITキャリアを前進させるため抑えておきたい24のITスキルをご紹介します。

Infrastructure: インフラストラクチャ

ai-icon.png1. 人工知能(AI)
リストにある最新スキルは、ビジネスに最も劇的な変化をもたらしたテクノロジーを象徴します。現代のAI、特に生成AIは、仕事のやり方を変えようとしています。すべてのテクノロジープロフェッショナルは、インプットされるデータから、確率に基づいたアウトプットに至るまで、AIの仕組みを理解する必要があります。

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2. テクニカルサポート
多くのITプロフェッショナルがテクニカルサポートからキャリアを始めるには理由があります。ヘルプデスクで磨かれたトラブルシューティングや問題解決スキルは、どのような専門分野に進もうと、キャリアを通して使われる強固な基盤となります。

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3. ネットワーク
組織が使用するすべてのデジタルデータはネットワークを経由することから、ITプロフェッショナルは、コンピュータネットワークの背後にあるテクノロジーを理解することの重要性を知っています。基盤となる物理なハードウェアに加え、現代のネットワークは、トラフィックフローをセグメント化し制御するソフトウェアに大きく依存しています。

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4. クラウドコンピューティング
リモートワークの増加に伴い、クラウドの需要が高まりました。設定、デプロイメント、セキュリティ、管理、トラブルシューティングといったクラウドスキルは、ITプロフェッショナルにとって不可欠です。これには、SaaSソリューションのエンドユーザーサポートから、Microsoft AzureやAmazon Web Services(AWS)などのクラウドプラットフォームの分析、管理、保守、デプロイまで、あらゆることが含まれます。

linux.png5. リナックス
組織はLinuxの運用に長けているITプロフェッショナルを必要としています。基本的なメンテナンス、ワークステーションのインストールと設定、ネットワーク、Linuxコマンドラインの理解などは、今すぐ習得すべきスキルです。

 
Development: 開発

programming-languages.png6. プログラミング言語
Java、JavaScript、C++、Pythonなどのプログラミング言語を理解することは、現在求められているITスキルであると言っても過言ではありません。プログラミング言語は、ほぼ全てのIT職種で使用されているため、ITプロフェッショナルはこれらのスキルを強化することがメリットとなります。

web-development-icon.png7. ウェブ開発
ソフトウェア開発者の多くは、ウェブアプリケーションに携わります。つまり、使用するプログラミング言語に加え、ブラウザのフロントエンド、サーバーのバックエンド、モバイルデバイスに必要な最適化など、インターネット上でソフトウェアがどのように機能するかを理解する必要があります。

quality-assurance.png8. 品質保証
品質保証の担当者は、データ分析を使って、工場やビジネスプロセスで作られる製品の問題点や機会を特定します。エラーや脆弱性を最小限に抑え、物事が正しく行われていることを確認します。

user-experience.png9. ユーザーエクスペリエンス(UX)
適切なUXデザインは、生産性の向上、サポートコストの削減、顧客の維持や獲得につながることから重要視されています。いずれも、より健全な収益を上げるため取り組んでいる組織にとって魅力的なものです。ITプロフェッショナルは、ターゲット市場の調査に関する知識、視覚的デザインのスキル、コーディング、プロジェクト管理スキルといったUXデザインを学ぶことで、IT業界のエキスパートとしての地位を確立することができます。

machine-learning.png10. 機械学習(ML)
すべてのソフトウェア開発者が、基礎的なAIアルゴリズムを直接コーディングするわけではありませんが、機械学習をある程度備えたソフトウェアアプリケーションが増えています。開発者は、TensorFlow、PyTorch、Pandasなどさまざまな機械学習テクニックとライブラリを認識する必要があります。

 
Data and Analytics: データと分析

database-administration.png11. データベース管理
データベース管理システムの設定やメンテナンス、または新しいテクノロジーに対応するデータベースコードの更新など、データベース管理者は、組織化されたデータベース環境のあらゆる側面を管理します。データ管理では、高度に使用されるプログラミング言語であるSQL(Structured Query Language)があります。SQLはリレーショナルデータベースの標準的なプログラミング言語であるため、ITプロフェッショナルはデータベースの構造と管理方法を知っておくことが重要です。データベース管理者を目指す人は、SQLを徹底的に学ぶことをミッションとすべきでしょう。

data-analytics.png12. データ分析
データ分析に精通したITプロフェッショナルは、データセットを検証し結論を出し、組織がより良い結果を出せるよう支援する能力を備えています。需要の高いITスキルの1つとして、技術者はデータ分析を身につけることが不可欠です。機械学習やプログラミング言語など、前述のスキルを習得することで、データ分析のスキルセットが強化されます。

data-visualization.png13. データビジュアライゼーション(データの可視化)
データセットは複雑で、理解するのが難しいとされます。組織には、データを分析し、データの意味やステークホルダーが注視すべき理由を伝えるためのデータビジュアライゼーションを作成できる人材が必要です。データビジュアライゼーションは、組織全体の意思決定を導く上で役立ちます。

data-science.png14. データサイエンス
組織は、生データを解釈し、データアナリストが意思決定の指針として使用できるフィードバックに変換できるプロフェッショナルを必要としています。さまざまなプログラミング言語(SAS、R、Pythonなど)を習得し、過去のデータを使ったモデルの構築を学ぶことで、ITプロフェッショナルはデータ運用を次のレベルへと引き上げることができます。

big-data-skills.png15. ビッグデータ
ビッグデータとは、既存のツールでは扱えなかったデータを、新しいテクノロジーツールを使って扱うことをいいます。ビッグデータに関連するITスキルには、効果的な問題解決スキル、データを扱うスキル、プログラミング言語の理解などがあります。これらのコンピテンシーを高め、ツールを活用することで、キャリアアップを図ることができます。

 
Cybersecurity: サイバーセキュリティ

information-security.png16: 情報セキュリティ
ほぼすべてのITプロフェッショナル(および多くのビジネスプロフェッショナル)が、情報セキュリティの基本を理解する必要があります。あらゆる技術的な業務はセキュリティを考慮して行われる必要があり、多くのITプロフェッショナルは基本的知識を知ることでサイバーセキュリティのキャリアを選択しています。

risk-analysis.png17: リスク分析
リスク分析とは、組織に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクや脆弱性を評価することです。サイバー犯罪が増加する中、リスクの特定、分析、管理といったサイバーセキュリティのスキルは、ITプロフェッショナルが組織の機密データを安全に保つ上で役立ちます。

cybersecurity-analysis.png18: サイバーセキュリティ分析
サイバーセキュリティとデータ分析の交点にあるのが、サイバーセキュリティ分析です。セキュアペリメーターがないクラウドの世界では、データの安全性を確保することが非常に重要です。これには、脅威インテリジェンス、侵入検知と対応、リスク分析、データモデリングが含まれます。

penetration-testing.png19: ペネトレーションテスト
ペネトレーションテストとは、サイバー犯罪者よりも先にシステムの脆弱性を発見する方法です。サイバーセキュリティ分析が防御的な戦略とされるのに対し、ペネトレーションテストは攻撃的な戦略でしょう。両者が連携して、異なる方法で組織を保護します。

compliance.png20: コンプライアンス
テクノロジー産業が巨大な経済力を持つようになったことで、政府の規制当局からの注目も高まっています。今後ますます、組織はデジタルオペレーションに関する規制へのコンプライアンスを維持する必要があり、知識を持つITプロフェッショナルは必要なプロセスに対応することができます。

 
Additional Professional: その他プロフェッショナルスキル

professional-skills.png21: プロフェッショナルスキル
技術的スキルに加えて、さまざまなプロフェッショナルスキルを備えることが重要です。適応力、共感力、チームワーク、コミュニケーション、アクティブリスニングは、技術的スキルと同様に雇用主にとって重要です。ITスペシャリストにとって、これらスキルの構築と強化は最優先事項とされます。

project-management.png22: プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントのスキルは、プロジェクトの規模に関わらずあらゆる場面で応用でき、より良い業務を可能にします。プロジェクトマネジメントの方法論(アジャイルなど)を理解すること、さらにプロジェクトのライフサイクルを管理、ステークホルダーとのコミュニケーション方法を学ぶことで、業務の効率と効果を高めることができます。

business-skills.png23: ビジネススキル
プロフェッショナルスキルは、「どう振舞うか」である一方、ビジネススキルは「何を知っているか」です。ITプロフェッショナルとして、組織がどのように機能しているのか、ビジネスの優先順位や目標は何か、従業員やエンドユーザーが直面している課題は何かを理解することで、より良い解決策を提案することができます。

automation.png24: オートメーション(自動化)
オートメーションは効率性を高めます。これは多くの企業が必要としていることです。ITプロフェッショナルは、ヘルプデスクからサイバーセキュリティまで、あらゆるレベルでオートメーションを導入することができます。スクリプトとAnsibleのようなツールは、ルーチンタスクを自動化されたプロセスに変え、より創造力ある仕事に従事するためのリソースを確保できるようになります。

 
必要なITスキルを身につけるためには

こうした数々のスキルを見ると、圧倒されてしまうかもしれません。必要なテクニカルスキルを習得するためのプランニングが効果的です。CompTIAは、リストにあるスキルの多くを証明するIT認定資格を提供しています。CompTIAのトレーニングソリューションから始め、認定資格を取得することで自身の知識を証明しましょう。

● CompTIA A+は、問題解決、トラブルシューティング、仮想化、他の基本的なITスキルといった、ITキャリアを通して役立つ知識を網羅します。A+は、ITキャリアをスタートさせるためのコアとなる要素であり、「インフラストラクチャ」の柱であるテクニカルサポートにおいて大きな役割を担います。

● CompTIA Security+は、セキュアなサーバー設計、アプリケーションセキュリティ、ソフトウェア開発に関連するものなど、セキュリティの中核となる機能を実行するために必要な基本スキルを網羅しています。「サイバーセキュリティ」は、CompTIA Security+が扱うすべての要素が含まれる重要な柱です。

● CompTIA Server+は、サーバー管理を最適化するためのオートメーション、スクリプティング、仮想化、さらには、トラブルシューティングやクラウドなど、サーバー管理・運用に関連する内容を扱います。Server+は、「開発」の柱において、モバイルツールの開発などによるさらなる評価や生産性を高めるスキル習得に大きな役割を果たします。

● CompTIA Cloud+は、クラウドの構成、デプロイ、セキュリティ、管理、トラブルシューティングを網羅します。「インフラストラクチャ」の柱に欠かせない要素です。

● CompTIA Linux+は、Linuxのコマンドライン、基本的な保守、ワークステーションのインストールと設定、ネットワークを含むLinuxの主要ディストリビューションにおける一般的な業務を網羅しています。「インフラストラクチャ」の柱では、Linuxを個別のスキルとしてあげています。

● CompTIA Project+は、中小規模のプロジェクトを管理するために必要な基本的な概念を網羅しています。上記、「その他プロフェッショナルスキル」において必要となるスキルを確認することができます。

● CompTIA Data+は、データの概念、データマイニング、データ分析、ビジュアライゼーション、データガバナンスを網羅し、データドリブン型のビジネス意思決定の構築や推進をサポートします。これらのスキルは、「データと分析」の柱に関連します。

● CompTIA DataSys+は、データ管理とセキュリティの維持に焦点をあてたデータ関連の業務におけるスキルを評価する認定資格です。これらのスキルは、「データと分析」の柱に関連します。

 
これらのCompTIA認定資格を取得し、新しいキャリアパスを広げることで、今年最も需要あるITスキルを身につけることができます。その結果、確実に変化するIT業界において、キャリアの基盤を築くことができるでしょう。